人の親としての醍醐味。

雑誌用の取材をまとめ、原稿整理と材料集めをしている。
同時に企画ごとのページの割り振りと、台割を意識したラフ・デザインの妄想。
この段階が編集者の腕の見せ所で、「まあ、こんなもんでいいか」はまず厳禁。綿密な計算と、ずばっとした行き足を試されるのだ。
さーて、盛り上がってまいりましたー、編集部。

そんな中、フジ・ロックに出演するマイス・パレード御一行が来訪するから間が悪い。
会場入りする前に東京でリハーサルをしたいので、この事務所に数日寝泊まりする段取りになっている。総勢計8名。

[そして5日後経過]

一昨日、ようやく連中は離日した。
今回の来日は我々には何も関係ないのだが、なんやかんやで結局終日お付き合いしなければならない。正直なところ疲れた。

そうそう、最近、たいへん感激したことがひとつ。
先日、ついに息子の補助輪が取れたのだ。
今でもサイクリング・ロードを走り抜ける、彼の興奮気味な笑顔が忘れられない。
風の中を瞳を爛々とさせて疾走する彼。並走していたパパは正直感激した。
技術を獲得した興奮と、未知の経験に震える気持ち。
それらがない交ぜになってヤツの瞳孔はすっかり開ききり、あたりを忘れて熱唱したのは十八番の「小田急コマーシャル・ソング」。それはそれは圧巻だった。
ああ、なんて美しい光景なんだろうと、オヤジはじわっと感激したね。

苦労して習得した技術。その技術を持ってして初めて経験できる未知の世界。
その興奮こそが人生の醍醐味だから、それを忘れないで生きていってほしい。
パパは何も自転車に乗れたことを喜んでいるわけじゃないのだよ。

trackbacks(0)

http://www.afterhoursmagazine.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/72

post a comment

  • Archives
September 2023
SUN. MON. TUE. WED. THU. FRI. SAT.
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30