息子よ、尾花を信じようではないか

小2の息子がすっかりプロ野球にのめり込み、学校から帰ると中継されない横浜ベイスターズの試合をネットでチェックするのが習慣になった。先発投手の防御率、打順のオーダー、打率の変化に注目し、ひとりであーだ、こーだ、盛り上がっている。「ああ、今日の先発はやっぱりランドルフか。ダメだな、こりゃ」と人の机を占拠しておいてひっそり嘆き、「村田の打率なんだよ、問題は」とおっさんのようにうなる。それも張本なみにだ。
 
パパは小3以来、「マルハ」大洋ホエールズ時代からの隠れファンである。息子も去年まで見よう見まねでつられて一緒に応援していたが、今ではかなり熱烈な、いや狂信的なベイスターズ・マニアと化した。負けるとパソコン前から崩れ落ち、大粒の涙をこぼしながら泣く。いや、泣くとパパに怒られるのを知っているから、崩れ落ちた後、顔を覆って隠れてこそこそ嗚咽するのだ。6連敗中の今はそれが毎日続くのであり(18日現在)、その張り裂けそうな7歳の小さな胸の内を思うと、パパはやるせなくて、やるせなくてどうにもたまらない。
 
胸中は……『息子よ、許せ。俺がジャイアンツのファンでさえあったなら、お前のプロ野球ファン人生はいかに平穏無事のハッピー・ライフであったか。しかしパパは君に請う。いつも寡黙な反体制であれ。そしてジャイアンツ、および原ごときエリート保守を疑い、仇視せよ。それを定めと知って強くあり、こんなパパを笑って許せ。さぁ、手取り合って知将、尾花を信じようではないか。例えそれが裏切られようとも……例えそれがはかない夢とわかっていてもぞぉぉぉ……』……パパ号泣。
 
心波立つそんな最近、ぼんやり聴くことの多かったCDは、ディスコードのバンド、メディケーションズの新作。デヴィン・オカンポのバンドだが、この新作はいい。80年代、90年代の良質なインディを咀嚼した、匠のこだわりが匂い立つ佳作である。つつましくも奥深いあっさりとした味わいが化学調味料抜きの大人の味で……ああ、何て無添加な音なんだろう。ええで、ええで、本当にええで。みんな聴くように。
 
ちなみに写真のiPodは、優秀な後輩から最近貢がれた物だが、何かドキドキしていまだ触れず。ベイスターズうんぬん以前に、ポンコツ、アフターアワーズは大丈夫なのか、という気もするがなぁ……。
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