週末、ひとりの時間

■金曜
いつものように時間を作って古本屋を流す。目は本の背を追うのだが、頭は友人宅の進捗状態を憂う。もう間もなく雪の季節だろうに、なんてつらつら思いながら、いつもの100円コーナーを流していると、思わず「あっ」と叫んでしまった。丸山健二。この堅物で知られる芥川賞作家が長野県大町在住だったことを瞬時に思い出したのだ。何やら縁を感じてエッセイ集『群居せず』を購入し(もう30年前の本)、ケツのポケットにねじ込んだところで、週末は天気も良さそうだし、やっぱり釣りだなとぼんやり思う。スーパーに夕食の買い物。

■土曜の夜と日曜の朝
沼津に向けて車を走らせる。家のドアから釣り場そばのいつもの釣具屋までぴったり90分。東名を120キロ前後で普通に走れば伊豆も意外に近いのだ。釣り餌と朝昼の食料を調達して、現場に4時過ぎ着。いつもの釣座に荷物をおいて車に戻り、シートを倒してポケット・ウイスキーで一杯。眠くなるまで購入した『群居せず』を読む。この時間も釣行の楽しみのひとつなのだね。外は海と森で人家はなく、生活音も街灯もない漆喰の闇。最初は気色悪いのだが、慣れるとこの世界でたったひとりの感じがたまらなくなる。生物の気配なし。

■日曜
薄ら明けた朝マズメの6時にダンゴを投げ始める。たまに魚がダンゴをさわるが、合わせても木っ端メジナかベラばかり。今年の沼津はバリ(アイゴ)の幼魚が一部で異常発生している。付け餌がウキに反応なく食われるのはこいつの仕業か。干潮の潮止まりに隣で竿を出していた初老のおじさんが話しかけてきた。「今日はお手上げ」だと。潮は悪くないから午後から期待するが、3時を過ぎて、30弱、足裏サイズのメジナがばたばたと数枚、あとはボラ。4時半に日が暮れて納竿。本命ではないが、たまには息子に魚を見せようと、一尾だけクーラーに投げ込んだ。帰りの東名は渋滞。大井松田から東名川崎まで赤いテールランプがべったり。払っても払っても睡魔の蜘蛛。ひでぶ。

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