うれしいひとつ。くやしいひとつ。

夏場の酷暑で水をやり過ぎたため、元気がなかったシャコバ・サボテン(蝦蛄葉仙人掌)が、今年も勢いよく花をつけた。先日エストニアから届いたマリ・カルカンの2ndもいい出来なので、一緒に記念の写真を1枚。うれしい。

マリとは一昨年、パスタカスと一緒にステージに上ったあの女性のこと。南エストニアのルーツ・ミュージックをベースにしたSSWで、本来はソロで活動をしている。真っ直ぐで透明感のある歌声は、一度聴いたら誰しも魅せられるはず。日本には少なくなった民芸的な歌声と言ったらいいか、大地の匂いがする。

枕元に白洲正子の対談集がある。まだ途中なのだが、やっぱりこの人は痛快。赤瀬川原平との会話では「アヴァンギャルドを突き詰めたら、利休がいた」という氏の言葉に相槌を打ち、「後継者の織部と比べると、その力量の大きさがわかる」と言う。「織部の焼き物をひとつ持っていたんだけど、しばらく眺めていたらすぐに飽きたのよ」だって。わかるような気もする。流れで現代の茶道(裏千家)をメッタ切りにし、返す刀で晩年の民芸運動もばっさり。「駒場の日本民芸館に行ってみなさい。民芸運動がダメになった証拠に、飾ってあるものが結局、茶の湯の世界なのよね」だって。つまり有形の「形」に運動が仕上がってしまって、無形の「思想」に昇華しなかったことを指摘し、茶道も能の世界もそうだと手厳しい。なるほどなあ。

高円寺文庫センターが閉まった。19歳の頃、マン・レイの写真集をここで手に入れた記憶がある。デュシャンに憧れ、後頭部を星形に剃っていた、迷える青年だった頃の話。同じ時期、同じ街にあったBOYでキャプテン・センシブルの1stを購入し愛聴してたから、当時の高円寺を回想するとBGMは決まってそれだ。いい本屋だった。くやしい。

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