『不条理』な出来事ほど、胸に収まりの悪いものはないと思っている。
人は身近な死に向き合うと、誰でもその死の"わけ"を問いつめるものだ。
なぜ彼は死ななければならなかったのか、と。
そしてその死に合理的な"わけ"を見つけると、静かに傷を癒し始めるのだが、それができない時は、永い永い地獄を見る。
天災の死に合理的な"わけ"などあるはずもなく、万を越える『不条理』がそこにあると想像するだけで、腹の底から突き上げる嗚咽の衝動に、理性を失いそうだ。
震災以降、息子が闇を怖がり始めた。
もう桜の季節なのに。
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