ポスト・ロック・バンドとして1993年に活動を開始し、12年間という長きに渡る活動に終止符を打ったカラテ。今でも惜しまれるその解散後、フロントマンであるジェフ・ファリーナはソロ名義でも活躍した。彼のナイーヴで叙情味溢れるボーカル、センチメンタルで美しいギター・サウンド......聴くものの心を揺さぶるジャジーなメロディ・ライン、変調や変拍子等、曲中に盛り込まれたテクニカルな側面にも魅せられるファンは多い。
彼の経歴は、一朝一夕にて作られたものではない。デス・キャブ・フォー・キューティーがカバーしたことで知られるシークレット・スターズの創立者でもあるジェフ。彼がカラテを経て結成した新バンドが、このグローリーテラーズだ。独特のメロディやオリジナルなギター・サウンドはそのままに、スリー・ピース・コンボ編成で新たな可能性を示唆している。
新作では、前作『グローリーテラーズ』をよりアグレッシヴにポップに発展させた印象。さらに複雑になったギターのリフ、絡み合うボーカル。リズム、メロディ、ハーモニーの三大要素が最大限に花咲いた究極のポップ・ロック・サウンドがここにある。