90年代後半、ヨーロッパではハウス、テクノの喧噪の中から、新たなエレクトロ二ック・ミュージックの流れが生まれた。ドイツ、ベルリンを中心にしたMorr Music、Hausmusikを軸とした潮 流もその代表的なもので、City Center Office、Vertical Form等、さまざまなレーベル、ミュージシャンがシーンに輩出されたのも記憶に新しい。ISO68もその流れの中で注目されてきたユニットのひとつ。99年に活動を開始し、主にレーベル 兼ディストリビューターであるHausmusikをベースにこれまで2枚のアルバムを発表。当初からジャズやダブといったスモーキーな音をベースにした硬派な音作りは、現地では異色だった。メンバー はFlorian ZimmerとThomas Leboegのふたり。
元Lali Punaのメンバーで、ISO68以外にもJersey、Saroosのメンバーとして活動(どちらも新作が話題)。現在Morr Misicのスタッフでもある。
現在はハンブルグ在住。現地の人気バンドKanteのメンバーでもある。
ふたりの交友関係は広く、The Notwist, Masha Qrella、さらにJohannes HuthやChrist of Kurzmannとのコラボレーション。意外なところではCalexicoのリミックスをJazzanova、Wechsel Gar land等と務め、Vertical Formのコンピレーションにも参加している。
2000年の『Mizoknek』でデビューし、2003年の『Here There』から数えて制作期間は4年。プライベート・スタジオでこつこつと作り温めた音の集積が本作だ。生の楽器を大胆にフィーチャー した電子サウンドは、ジャズ、ダブ、インディ・ロックの匂いをまとった独自のジャズ・エレクトロへと昇華している。