\2100(with tax)
LIAM HAYES (リアム・ヘイズ)
Mirage Garage(ミラージ・ガラージ)
全9曲/レーベル内面漫画付き(リアム作)
プラッシュことリアム・ヘイズとの関係は今からちょうど20年前、99年にアフターアワーズが手がけた外国人ミュージシャンの招聘公演として、スモッグ(ビル・キャラハン)と共に来日した時まで遡る。まだ時代は20世紀末、二人ともキャリアが軌道に乗り始めたころで、スモッグは当時注目の若手SSWとして売り出し中、リアムもデビュー・アルバム『More You Becomes You』(98年)が欧米で絶賛されていた時期だった。
来日以後も我々と二人との交友は続いて行くのだが、デビュー以来ドラッグ・シティと蜜月を続けるビル・キャラハンと対照的に、デビュー・アルバムの制作時のトラブルからレーベルを離れたリアムとは同行二人のような不思議な関係になる。2ndアルバム『Fed』(2002年)、2ndのスピンアウト『Underfed』(2004年)、3rd『Bright Penny』(2009年)、4th『Korp Sole Roller』(2014年)と彼の作品を日本国内でリリースしてきたが、欧米でのリリースはまだら模様。中には結果的に日本盤のみの発売になりリリース当初からレア盤扱いされた作品もあった(最近もリアムの熱狂的なファンであるウィルコのメンバーを中心に、日本盤のみのリリース作品を再発/ヴァイナル化しようという動きもあったが頓挫?)。
そして『Slurrup』(2017年)を挟んで、突然本作の発表となる。カセットのみでのリリースになるこの新作は、90年代半ばからアメリカン・レコーディングスをベースに活動したフリーホイーラーズのリーダー、ルーサー・ラッセル(『More You Becomes You』の熱狂的ファン。2018年ソロで来日した)がプロデューサーとしてリアムに提案し実現した企画で、ほぼ全ての楽器を二人で演奏しスタジオ・レコーディングされている。音作りにはこだわりのある二人らしく、極力デジタル機材を排除したアナログ・レコーディングにこだわった音作りが印象的だ。カセットのみでのリリースも彼らなりのこだわりで、一般流通には乗せずに、リアム自身WEBのみでの販売(英のラフ・トレードでは委託販売中)。ちなみに仕様は初回100本の限定版、カセットスリーヴ内側にはリアムの書き下ろしの漫画が掲載されている。メディアでの評価も高く『Record Collector』、『Uncut』でも高評価となっている。