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全米でも屈指のソングライターとして、一部熱狂的なファンの間ではカルト化している希代のソングライター、プラッシュことリアム・ヘイズ。オリジナル・アルバムとしては5年ぶりとなる本作は、これまでのプラッシュから本名のリアム・ヘイズに名義変更してのリリースとなる。
リアムと言えば、欧米のメディアでもジミー・ウェッブ、ブライアン・ウィルソン、ローラ・ニーロ、バート・バカラックといった伝説的なポップ・レジェンドと比較して語られることが多く、アメリカ国内は元より、ヨーロッパでも作家や俳優などクリエーターに熱狂的なファンが多いことで知られる。
本作ではこれまで以上に贅沢な編成で、曲によってはブラスやストリングスも入った豪華な仕上がりになっているのが特徴。全体的にエッジの効いたシャープな音作り/マスタリングが耳に心地よく、演奏、アレンジ、レコーディングなど、ほぼパーフェクトな珠玉の楽曲が全10曲収録されている。
このアルバム作りに全面的に参加し、プロデューサーとして制作の先頭に立ったのが、ウィルコのメンバーとして、先日来日したジ・オータム・ディフェンスの主宰者、パット・サンソン。自ら熱狂的なリアムのファンであったこともあって、プロデュース、アレンジはもちろん、演奏やバックメンバーの招聘まで彼の主導で行なわれた。ある意味でこのアルバムはリアムとパットの合作と言ってもいい内容となっている。
昨年2013年にはロマン・コッポラ(父は巨匠フランス・フォード・コッポラ、妹はあのソフィア・コッポラ)の長編映画『チャールズ・スワン三世の頭ン中』で音楽を担当し(出演も)、彼のオリジナル曲によって構成されたサントラ盤もリリースしたリアム。そして満を持して5年の歳月をかけて制作されたメインワークのスタジオ・アルバムが、紆余曲折を経てこうして発表される。待ち続けたファンには待望の瞬間と言っていいだろう。
produced & arranged by Patrick Sansone (Wilco)