画家でもある本人のイラストによるカバー・アート。
友人であるmumのドラマー、サムリも本作に参加。
昨年9月に行なわれた来日公演も各地で大変好評に終わったエストニアのシンガー・ソングライター、パスタカス。素朴ながらも多彩なパフォーマンスは、各地で絶賛された。2009年1月にリリースされた『Snatsit Some Si Si』は、楽曲の高いクオリティもさることながら、1枚1枚がハンドメイドという凝ったアートワークにも注目が集まった。それから早1年、盛況だった日本ツアーを記念して各会場にて限定先行発売された、未発表音源収録の日本独自企画盤がこの度リリース。
TVショーでの演奏やデモ、またライヴ音源なども収録された本作には、現在はフィンランドに移住しているパスタカスの友人であり、ムームのドラマーでもあるフィンランド人、サムリとの共作も収録されている。来日公演でも披露されたように、フルートやアコースティック・ギター、ザイロフォン等々、多くの生楽器の幅広い音色、それを自由自在に操る技術、そして彼独特の哀愁あるやさしいボーカルに支えられたパスタカスの楽曲は唯一無二のバルティック・フォークともいえよう。抑揚のある美しいメロディを奏でる彼ならではの北欧カントリー・ミュージックを、この作品でも聴くことができる。
また、画家としても活躍するパスタカスならではの、彼のドローイングを全面的に配したアートワークも要チェック。東京公演会場にて、壁に自らのドローイングを次々と貼り始め、その場がまさしくギャラリーと化したが、すべてボールペンで描かれた繊細かつ異端なそのタッチは今後も注目されるべきだろう。