artist
\2530(with tax)
二つ折りインナースリーブ/歌詞付き
「さやの美しい声とメロディに対する直感的なアプローチ、植野の素晴らしいギター・プレイ......完璧だよ!」......スティーヴン・パステル(ザ・パステルズ)
植野隆司とさやのふたりでテニスコーツを始めたのが1996年。自身のレーベル、マジキックをスタートさせて20年を記念してスタートさせたテニスコーツの集大成とも言える4枚組の連作がこの『Music Exists』シリーズ。
前々作『Music Exists~disc1』、前作『同~disc2』に続いて、3枚目の『同~disc3』はアナログ用に再編集/リマスタリングされ、CDに遅れることちょうど1年、ようやくアナログ化となる。彼らの音楽は日常を淡々と見つめた歌詞、大仰でない人肌のメロディ&アレンジに、聴くたびに驚かされる繊細なマスタリングが魅力だが、disc3でもその味わいに一切の変化はない。
テニスコーツといえば、パステルズ、パスタカス、ジャド・フェア、ビル・ウェルズといった個性的なミュージシャンたちとのコラボレーション作品が注目されてきたが、この作品はあの盟友テープ(スウェーデン)との共作となっている。両者はすでに06年の『Tan-Tan Therapy』、11年の『Papa's Ear』で共演しているが、本作は15年に行われたテープの来日公演に合わせて、兵庫県にある旧グッゲンハイム邸でセッション・スタイルで2日間で一気に制作された。ゲストとしてpopoの山本信記(トランペット)、堀川賢祐(トロンボーン)が参加している。
本アルバムは前作、前々作とは面持ちを異にしたテニスコーツのもう一つの側面を垣間見ることができる異色作で、テニスコーツのアコースティックな人肌感と、テープの身上である繊細なエレクトリックなエディティングが織りなすドライ感のバランスが、独特の恍惚感を生んでいる。お互いをよく知ったもの同士だからできる良質のコラボレーションと言えるだろう。
違相